研究内容
   
  X-flowers

私は大学院時代から一貫して、植物と動物の生物間相互作用を めぐるさまざまな生態学、進化学的な問題に、広く関心を保ってきました。私が 研究においてめざしている大きな目標の1つは、植 物がポリネーター(花粉媒介動物)や種子食害 動物との相互 作用をつうじて、その繁殖成功を最大にするためにどんな形質あるいは戦略を進化させてきたかを理解することです。とくに現在は、互いが相反する 利益を追求するという拮抗的な関係を出発点とした花とポリネーターの緊密なパートナーシップ、そしてその共進化の産物としてのポリネーターの採餌行動と花 のさまざまな形質に興味をもって研究をすすめています。
 ひとくちに花の形質あるいはポリネーターの行動と言っても、そこにひそむ疑問は数かぎりなく、私自身が手がけてきた疑問も決して1つや2つではありませ ん。そうした多岐にわたる疑問に答えるため、私はこれまで、野外調査、野 外実験、室内実験、数理モデル、コンピュータ・シミュレーションなど、その都度ふさわしい と思われるさまざまなアプローチを採用してきました。ある先輩がおっしゃった言葉を借りれば「生態学とは手法ではなく、考え方の学問だ」というのが、私が 研究をつうじて日々実感していることです。言いかえれば、つねに疑問やアイデアを主体に据え、手法へのこだわりを捨てることが私の研究(あるいは 多くの野外生物学)の特徴と言えるかもしれません。以下ではまず私の研究テーマを概説し、さらに1つ1つの成果を年代順に紹介します。
 なお、このページは、私の気が向いたときに、少しずつ追加・改善されていく予定です。現時点ではまだ完全版ではありませんので悪しからず。共同研究(大橋が第一著者でないもの)については、英語ページに簡単な説明がありますのでそちらも参照して下さい。


私の研究テーマ『動物の行動戦略を介した花の形質進化』

自然界の多くの花は、花粉を運ぶポリネーター(花粉媒介動物)、種子を食べてしまう食害者など、さまざまな動物がもたらす利益とコストを自然淘汰圧として、多様な進化をとげてきました。したがって、花の形質が持つ進化的な意味は、動物との相互作用によって説明できると考えられています。こうした観点から、植物の進化学者たちは、ポリネーターの訪花頻度、葯からの花粉の持ち出し・柱頭への付着量などを、植物が残す種子の数つまり繁殖成功の指標としてさかんに調べてきました。
 しかし、ここ15年ほどの間に、遺伝マーカーによる父性解析法の発展により、こうした訪花頻度や花粉の持ち去り量は、植物の繁殖成功の指標としては精度が低いことがわかってきました。この不一致の原因として考えられるのは、訪花頻度には、ポリネーターが1つの花を訪れたあと、同じ株上の花間、株間、パッチ間、あるいは集団間をどのように移動するか、といった情報が含まれないことです。1つの花から持ち去られた花粉は「花粉の持ち越し」によって複数の花に分散するのが一般的です。よって、花ごとの訪花頻度や花粉の持ち去り量を調べても、ポリネーターの移動パターンがわからなければ、持ち出された花粉がどこにどれだけ運ばれたかを知ることはできないのです。
 このように考えれば、父性解析によって精度の高い繁殖成功の測定をおこなうだけでなく、その繁殖結果をもたらしたポリネーターの行動パターンについての情報、知識をふやすことも、花の進化を理解するためには不可欠です。とくに、花の形質が変わるとポリネーターの行動パターンがどのように影響を受けるかという問題は、経験的に調べるだけではなく、動物の採餌戦略として予測・検証することが可能です。言いかえれば、ポリネーターが「どのように餌を集めればよいのか?」を考えることで、花粉がどこに運ばれるかを知ることができるのです(種子食害昆虫にも同様の議論があてはまります)。このように、植物の繁殖にとって重要な動物の行動パターンについて「動物にとって都合のよい戦略はどんなものか?」「その戦略の実現にかかる制約はどんなものか?」と問いかけるのが私の研究における基本的な姿勢です。このような「動物の都合」を知ることで、数・かたち・色といった様々な花の形質に、動物の行動を介してどのような自然淘汰がはたらいてきたかを明らかにしたいと考えています。

研究成果

1)植物は花生産を減らすことで種子食害に対抗する? − 野外調査による仮説検証
 植物は、花をたくさんつけるほどより多くの種子を残すことが できると一般に考えられてきた。しかし一方で花数をふやせば、種子食害昆虫に 発見され、種子が食われる危険も増すかもしれない。この可能性についてはこれまでにも少数の研究者によって指摘されてきたが、検証例はほとんどない。そこ で私と矢原は、散布前種子食害昆虫(タネバエおよびオオゴボウゾウムシ)による種子食害圧が異なる野外の2つのフジ アザミ集団で調査を行った。その結果、 いずれの集団でも種子食害率は花数とともに増加し、食害圧の高い集団ではとくにその増加が大きかった。一方、種子の稔実率は、どちらの集団でも花数によら ずほぼ一定だった。これらのデータにもとづき簡単な計算をおこなったところ、ある上限以上に花をつくるとその株が残す種子の数がかえって減少してしまうこ と、食害圧が高いほどこの上限値は低くなることが予測された。よって植物が繁殖成功を最大にしようとするなら、食害圧の高い集団ほど一年をつうじた花生産 数は少なくするのが得策であろう。実際に上記のフジアザミでは、食害圧の高い集団では低い集団に比べ、同じサイズの株でも約半数の花しかつけていなかっ た。これらの結果は、種子食害が淘汰圧として働いたことにより、それぞれの集団で異なる最適な花数が進化してきた可能性を示唆する。このような、食害を前 提とした上でその被害を最小限に抑えるための花生産数の制限、という対被植食者戦略は、たった1つの集団を観察するだけでは見過ごされてしまう可能性が大 きい。我々のデータはサンプル数の少なさという弱点はあるものの、花を訪れるポリネーター以外の相互作用生物に目を向ければ「花をたくさん咲かせればより 多くの種子を残すことができる」というこれまでの植物繁殖生態学の常識でさえも、再検討の余地があることを明示している。

2)ポリネーターが開花数の多い株を好んで訪れるのに、すぐ株を去る理由 − 数理 モデルとその野外における検証
 ポリネーターは、たくさんの花を咲かせた植物個体(株)をより頻繁に訪れる。この現象は長い間、ポリネーターが移動にかかるコストをできるだけ節約する ためと解釈されてきた。しかし一方で、ポリネーターは、たくさんの花を咲かせた株を訪れても、すべての花を訪れるよりも前に別の株へと飛び去ってしまうこ とが知られている。つまりポリネーターは、たくさんの花を咲かせた株をより頻繁に訪れるにもかかわらず、ほとんどの花を吸蜜せずにこれらの株を去ってしま う、という一見矛盾した行動をとっている。そこで私と矢原は数理モデルを用い、これまで生物学的に説明されてこなかったこの行動パターンの理由を探った。 まず、野外のポリネーターが株内ですでに吸蜜した花を誤って再訪花することに着目し、この条件のもとでモデルを解析したところ、ポリネーターは個々の株を 早めに去り株内での再訪花を避けた方が高い採餌効率をおさめることができる、と予測された。また、花数の多い株上では1回の訪問中に吸蜜されず残される花 が多いため、単位時間内にこれらの株をより頻繁に訪れるのは効率的であることがわかった。つまり1回にたくさんの花を訪れられるからではなく、むしろ1回 の訪問における訪花数が少ないからこそ、ポリネーターは残された花を利用するために花数の多い株を何度も訪れるのである。言いかえれば、ポリネーターは蜜 の供給と個体数の分布を釣り合わせて、理想自由分布をほぼ実現しているのだ。モデルはさらに、植物の生育密度が高いときや花の形態が複雑なときには、花数 にともなう株内訪花数の増加が小さくなる反面、花数にともなう株あたりの訪問頻度の増加は大きくなる、という新たな興味深い予測を導いた。株内訪花数は隣 花受粉(自家受粉)を、株あたりの訪問頻度は他家受粉を促進することを考えれば、このようなポリネーターの行動の変化は、植物の繁殖にも重要な帰結をもた らすと予想される。
 我々が提唱した数理モデルは、植物の生育密度が高くなると、花数にともなう株内訪花数の増加が小さくなる反面、花数にともなう株あたりの訪問頻度の増加 は大きくなる、という興味深い予測を導く。株内訪花数は隣花受粉(自家受粉)を、株あたりの訪問頻度は他家受粉を促進することを考えれば、このようなポリ ネーターの行動の変化は、植物の繁殖にも重要な帰結をもたらすだろう。そこでさらに、低密度・高密度のフジアザミ野外集団で、採蜜のために訪れるマルハナ バチを用いて、モデルの検証を試みた。まず、株上に長くとどまると再訪花の危険が急速に増加し、花数が増えるとこの危険はわずかに緩和される、というモデ ルの仮定が実際に成り立つことが示された。また、平均的な訪花頻度は花数によらず株間でほぼ等しい、という理想自由分布の仮定も満たされていた。そしてモ デルの予測通り、高密度ではハチはより頻繁に株間を移動して株内訪花数を減らす傾向が見られた。モデルのパラメータを定量的に測定し、それぞれ株内訪花数 の予測値と観測値を比較したところ、観測値はわずかに予測値を下回るものの、高・低密度のいずれにおいてもかなりよく一致していた。さらにモデルの予測通 り、ハチは高密度ほど花数の多い株への選好性を強めた。これらの傾向は、再訪花の危険を避けるために、たくさんの花を咲かせた株上でも一度に少しの花しか 訪れず、かわりこれらの株をより頻繁に訪れることで訪花頻度をどこでも等しくする、という我々の仮説を強く支持する。また、同じ花数の植物でも生育密度が 異なれば、たとえ訪花頻度が等しく見えても、ポリネーターを介した自家受粉と他家受粉の比率は変化しうる、という植物にとって重要な示唆も含んでいる。

3)花形態の複雑さが隣花受粉を軽減する − キバナアキギリを用い た野外実験による仮説の検証
 一般に、ある植物個体(株)を訪れたポリネーターはたくさんの花があっても少数の花しか訪れずに株を去る。このような訪花行動は隣花受粉(自家受粉)を 少なくするので、植物にとって都合が良い。そのため、植物が何らかの形でポリネーターの行動を「操作」し、株内訪花数を少なく抑えている可能性が示唆され てきた。しかし具体的にどのような「操作」が可能であるかは、これまで明らかにされてこなかった。私は数理モデルにもとづき「花あたりの吸蜜コスト(時 間)をふやすことは、ポリネーターにとって同じ株上にとどまることの利益を減らし、より早く株を去らせる効果がある」という新しい仮説を提唱した。さらに この仮説を検証するため、キバナアキギリの 花糸を切除して吸蜜コストを軽減する野外実験を行ったところ、予測通りマルハナバチの株内訪花数が増加することが示された。さらに、ハチが実際に花に持ち 込む花粉量を測定し、その結果をもとに、吸蜜コストの増加による株内訪花数の減少量を推定したところ、キバナアキギリの花糸による吸蜜コストの増加は、最 終的に株の自家受粉率を20%近くも減らしうることがわかった。従来の研究では、動物媒花の多くが複雑な形態をもつのは、花粉の持ち出し・持ち込みなど、 主に1つの花における送粉効率を高めるためと解釈されてきた。私は、こうした形質がさらに、ポリネーターを早く去らせることによって隣花受粉量を減らす効 果をも併せ持つことを初めて示した。また一方で私の実験は、花あたりの吸蜜コストの増大が植物集団へのハチの訪問を半減させることも明らかにした。この データは、ポリネーターの行動を「操作」して隣花受粉を減らす植物の形質が、ポリネーターを強く惹きつける多量の蜜などの形質と独立には進化し得ないこと を示唆するのかもしれない。

4)花の更新資源をうまく集めるための空間利用戦術とは? − コン ピュータ・シミュレーションを用いたポリネーターの採餌戦術の評価
 花粉や蜜を餌とするポリネーターは、複数の花で構成される「パッチ」の間を渡り歩いて餌を集める。これらの花資源は多くの場合、いったん食いつくされて も時間をかけて徐々に更新される。よって、これらのパッチ間をどのように移動するかによって、ポリネーターが出会う餌量と移動のコストは大きく左右され る。更新資源をうまく利用するには、パッチへの到着周期をより長く、より一定にすればよいことが、先行研究で理論的に示されている。しかしポリネーターに とっての採餌の成績は、到着周期だけでなく、同じ餌をめぐる他者との競争や、各パッチの餌の更新スケジュールにも影響されるだろう。では、ポリネーターはどのようにパッチ間を移動しながら採餌すればよいのか?
 我々はこの問いに答えるため、コンピュータ・シミュレーションを用いて、複数の更新資源パッチから採餌するポリネーターの空間利用戦術とその採餌成績の 関係を調べた。各個体は、実際のポリネーターで観察される4つの代表的な空間利用戦術のうちいずれか1つを採用するものとした。まず、競争個体数やその戦 術を変えて採餌成績をくらべたところ、驚くほど広範囲の競争条件下で、トラップライン採餌(一定の順路をくり返す採餌)が非トラップライン採餌(一定の順 路をもたない採餌)より高い成績をおさめた。これは、どのパッチも一定の周期で訪れる、順路が広範囲にわたる、というトラップラインの2つの特徴による。 一方、各パッチにおける過去の採餌経験を次の行動に反映させる「情報利用型」のトラップライン採餌は、周期の一定性が崩れる、移動コストが余計にかかるという2つのコストのため、時・空間的な餌量の変動がある場合をのぞいては、かえって採餌成績を下げることがわかった。以上の結果は、更新資源パッチの採餌 においては、トラップライン行動が多くの場面で強い競争力を発揮すること、一見有利なように思われる情報の利用は、実は必要に応じて一時的に用いれば十分 であることを示唆している。

5)トラップラインの形状の最適化 ケージ内実験におけるマルハナバチの環状ルートの学習過程とその制約

 いったん食いつくされても時間をかけて徐々に更新される、花粉や蜜などの更新資源を餌とするポリネーターは、いくつもの花のパッチを何度 も訪れ、餌を集めてまわらねばならない。したがって、パッチ間をどのように移動するかによって、ポリネーターが出会う餌量と移動のコストは大きく左右される。更新資源をうまく利用するには、できるだけ多くのパッチを含み、かつ最短経路をたどるような一定の環状の順路をくり返したどればよいことが、4)の先 行研究で理論的に示されている。一定の順路(ルート)をくり返す採餌、つまりトラップライン採餌は、「近くへ移動する」とか「まっすぐ移動する」といっ た、パッチ間の単純な移動ルールを組み合わせるだけでもある程度は実現できる。しかし、ポリネーターがパッチの位置やルートを学習できるならば、さらに効 率的なルートの「かたち」を実現できるかもしれない。
 野外で採餌するマルハナバチは、個体ごとに比較的せまい採餌範囲を決め、トラップライン採餌をおこなうと言われてきた。そこで我々は、一定速度で蜜を分 泌する人工花をパッチとして用い、マルハナバチがいかに一定のルートを形成し、その形を効率化するかを調べるための室内実験をおこなった。その結果、ハチ は採餌経験を積むほど一定のルートを何度もくりかえすようになり、その形は頻繁な再訪問や寄り道が少ない環状ルートに近づいていった。これらの傾向は、観察された花間の移動距離と角度の組み合わせから再現されるよりも有意に強かった。一方で、ハチはたとえ実現するルートの形が効率的にならない状況でも、直進移動よりも近くの花への移動を優先する傾向をもち、この傾向は採餌経験を積んでもほとんど改善されることがなかった。このため、我々が試みた3種類の花 の空間配置のうち、直進移動と一番近くの花への移動が一致しない配置(不一致型)については、他の2つ(一致型、独立型)の配置にくらべてルートの一定性 が低く、またその形状も頻繁な再訪問やムダな寄り道を多く含んでいた。以上のように、本研究では、野外観察から推察されていたとおり、マルハナバチが記憶 にもとづく一定の順路(トラップライン)を形成し、その形を効率化する能力をもつことを初めて実験的に示すことができた。また同時に、効率的なトラップラ インを形成するためには、まず適切な位置関係にあるパッチをえらぶことが前提となることがわかった。このことは、野外において先に餌場に来たハチ個体が、 後から来た個体よりも適切な位置関係にある株やパッチを採餌域としてえらび、より効率の高いトラップラインを形成できる可能性を示唆している。

6)同じ餌場で経験を積むと競争に強くなる個体の経験量が競争時における採餌成績におよぼす効果

 マルハナバチやハチドリでは、個体が同じ餌場での採餌経験を積むにしたがい、一定の環状ルートに沿ってパッチを巡回するようになることが知られる。このトラップライン採餌は、各パッチへの周期的な再訪問をつうじ、競争時において1つ1つのパッチで出会う蜜量を大きくする効果をもつことが、先行研究で理論的に示されている。また個体は環状ルートをもつことにより、再訪問の周期を長くしたり、パッチ間をすばやく移動したりできるようになるかもしれない。では実際にポリネーターの採餌における経験量のちがいは、トラップライン採餌をつうじてこれらの利益をもたらすだろうか?
 我々はこの問いに答えるため、一定速度で蜜を分泌する人工花(パッチ)を用いたケージ内実験をおこない、蜜をあつめるマルハナバチ個体の経験量のちがいと、それにともなう空間移動パターンのちがいが、競争時の採餌成績(時間あたりの集蜜量)におよぼす影響を調べた。その結果、競争時の採餌成績は、トラップライン採餌がより顕著なほど、また花間の移動がより早いほど高くなることがわかった。したがって、競争する2匹のハチのあいだで採餌経験量が大きく異なる場合には、これらの点において勝る「熟練」個体が「新米」個体よりも常に採餌成績が高くなる傾向が見られた。トラップライン採餌は、1つ1つの花で出会う蜜量をふやす効果をつうじて、採餌成績を高めていた。また花間のすばやい移動は、時間あたりの訪花数をふやし、かつ貯まった蜜を相手よりも先に吸う頻度(先取り率)を高める効果をつうじて、採餌成績を高めていた。
 ただしその一方で、熟練個体であってもすばやく移動するときは、たどるルートが乱れる傾向も明らかになった。このことは、トラップライン採餌の「速度」と「精度」にはトレードオフの関係があること、つまり個体が環状ルートを形成するのは、パッチ間をすばやく移動するためではなく、パッチを周期的に訪れることによって得られる利益のためであることを示唆する。また、個体は競争相手の有無にかかわらず、同じ餌場での採餌経験にともなってトラップラインの巡回や、よりすばやいパッチ間移動の傾向を強めることもわかった。野外のマルハナバチはたいてい競争採餌することが多いので、競争者がいない状況でも、将来にそなえて空間移動に習熟しておくことが採餌成績を高める上で重要なのだろう。また4)の理論研究では、たとえ単独時でも花あたりの蜜含有量が一定値を越えない場合には、トラップライン採餌やすばやい移動は個体の採餌成績を高めることが示されている。以上の結果は、なわばりを持たない動物であっても、餌場における経験が、その行動をつうじて他個体との競争において有利にはたらくことを示す、興味深い知見である。


(最終更新日:March 20th, 2008)

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